「デジタルとアナログのもっとも幸せな融合。」と称され、映画『レオン』のマチルダを彷彿させるビジュアルも話題のユニット EA（エア）。7月12日 日本が世界に誇るドラマー あらきゆうこ（mi-gu）と過去最高峰のアクトを繰り広げた。

＜EAとは？～原発絵本プロジェクトテーマ曲披露＞

　日×仏ハーフのマイカ・ルブテ（vo,key,programming）とシンヤ（g）によるEAは、YMO、コーネリアス、CIBO MATTOなどに代表される、デジタルとアナログの理想的な融合を追求。独創的で、芸術的で、その上でキャッチーさも持ち合わせた“今のJ-POPに横槍を刺すような音楽”には、あの坂本龍一も助言するなど大きな注目が集まっている。

　そんなEAが【EA 1st mini album『METEO』発売記念LIVE“2001円宇宙の旅”】をSHIBUYA PLUGにて開催。スペシャルゲスト Babiの遊び心満載でメルヘンチックなアクトを経て、まず2人は坂本龍一のアドバイスから誕生した「Red block on the hill（French version）」を披露し、説明できない孤独感を必死に埋めようとしている現代人の姿をイメージさせる。

　その後も、シンセサイザーやパソコン、テノリオンなどを自由自在に操りながら、いつにも増してエモーショナルなギターを響かせながら、観客をその音楽空間にぐんぐん誘引。日本に原発が根付いてきた経緯を伝える原発絵本プロジェクト『この国にひかりが満ちるまで』のテーマ曲に起用された「ひので」も、心を込めて切々と歌い届けた。

＜あらきゆうこと共演～EAの可能性＞

　後半戦では、CORNELIUS、salyu、くるり、杏子、スガ シカオ、スキマスイッチ、COIL、布袋寅泰、オノ・ヨーコ等とのレコーディングセッションやライブでお馴染み、あらきゆうこ（dr）も登場。ミニアルバム『METEO』に参加している彼女は、EAの世界観を熟知していることもあってか、ドラムセットひとつでその音楽に誰もが踊り出したくなるほどの躍動を与え、共に大きな感動を生み出していく。

　そんな心身揺さぶる名共演もあって、会場にはいつまで経っても鳴り止まない拍手。急遽アンコールまで突入した同ライブだが、マイカとシンヤのその場でのミーティングから「AONISAI」という『METEO』未収録曲を披露。最後に生々しい声と音で響かせ、まだまだ音楽ファンの琴線に触れる楽曲があることを証明、この先に広がるEAの可能性を感じさせた。

カメラマン：こじょんぬ＠mece

◎EA終演後ミニインタビュー
－－『METEO』発売記念ライブを終えた今の心境は？
シンヤ：宇宙に旅立った気分だよね。
マイカ：完全に頭がぽわーんとしてる。でも……
シンヤ：今、何も考えられない。
マイカ：今まででね……
シンヤ：時は流れていく。
マイカ：一番濃いライブ……時は流れていく（笑）？
シンヤ：一切流れていく。
マイカ：そりゃ時は流れていくよ！ その時の流れは速いのか、遅いのか。今日はめちゃくちゃ早かった！
シンヤ：最初はちょっと緊張してたんですけど、途中から一瞬だったね。だから時間的に言うと、ワープした感じがします。普段あんまりニヤけないんですけど、今日はニヤニヤしちゃった。楽しかったんだね。

－－今後の目標は？
マイカ：とりあえず生み出し続ける。今まではわりとブラッシュアップしていく作業だったんですけど、今回のライブでちょっと一区切りついた感覚があるので。
シンヤ：ここで気持ち的には『METEO』に区切りをつけたということで、これからは次のアルバムへ向けて動けるようにしたいです。

－－では、Billboard JAPAN読者の皆さんにメッセージを。
シンヤ：僕、平賀さんが好きなんで、Billboard JAPANをすごく毎日見てください。
マイカ：ついでに私たちの記事も見てください。
シンヤ：Billboard JAPAN、毎日見てほしいよね。僕らとしては。
マイカ：毎日見てほしい。毎日10回ぐらい見てください。
シンヤ：見ると、絶対勉強になると思うんで。
マイカ：楽しい、面白い。それに尽きる！
－－真顔で太鼓持ち、ありがとうございます（笑）。

◎ライブ【EA 1st mini album『METEO』発売記念LIVE“2001円宇宙の旅”】
07.12（木）SHIBUYA PLUG SET LIST：
01.Red block on the hill（French version）
02.ワニのうた
03.ぬいぐるみシンドローム
04.H2O
05.UCHU
06.ひので
07.JoJo
08.ミミズのダンス
09.Pitcha pitcha
10.Monkey, I love you
11.Red block on the hill
En1.AONISAI